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創立70周年記念事業「金融内部監査アカデミー」の設立について

2026/09/01

一般社団法人日本内部監査協会は、創立70周年記念事業の一環として、金融内部監査アカデミーを設立します。


  1. 設立の趣旨
     金融機関の内部監査を、保証にとどまらず、経営の意思決定を支え、企業価値の保全と向上に貢献できる水準へ高めることを目指します。
     日本内部監査協会は、業種・業態を問わず、あらゆる経営組織体の内部監査の発展に寄与することを使命としています。本アカデミーを金融分野に特化して設けるのも、その使命を果たすためです。
     理由は二つあります。一つは、金融業界が内部監査の高度化で先行しており、その水準をさらに高めることで、我が国全体の高度化を先導できるからです。もう一つは、金融機関が我が国の企業や団体と幅広い接点を持っており、取引先との対話や支援を通じて、内部監査高度化の成果を広く波及させることができるからです。
     こうした金融業界の先行性と影響力を生かし、我が国全体の内部監査の水準向上を図る。これが、本アカデミーの狙いです。  
  2. 目指す人材像
     本アカデミーが目指すのは、内部監査の手続や規程に精通した専門家の育成にとどまりません。金融業の全体像を理解し、変化の兆候を捉え、目の前の事象の背後にある構造を見抜き、経営陣が置いている前提を問い直す。そのうえで、独立した立場から、経営陣がよりよい判断を行うことを支える。さらに、経営陣や取締役会から、「この戦略の前提は妥当か」「我々が見落としているリスクや機会はないか」と、自然に意見を求められる。そうした人材を育てます。
     そのために、二つの力を養うことを重視します。
     一つは、「本質を見抜く力」です。事象の背後にある構造と真因を捉え、これまで当然とされてきた前提そのものが、既に変わり始めていないかを問う力です。
     もう一つは、「建設的な提言を行う力」です。独立した立場から、経営陣がよりよい答えに至るための論点と選択肢を示す力です。問題を指摘して終わるのではなく、その問題が経営にとってなぜ重要なのか、放置すれば何が起こり得るのかを示し、それぞれの対応の利点、コスト、残余リスクまで整理して伝える力です。
     知識を持っていることと、その知識の前提が今も成り立っているかを問えることは同じではありません。知識を判断と提言に変える力を養うことが、本アカデミーの中核です。
     受講生には、将来、内部監査で培った視野と判断力を生かし、金融機関経営の中枢を担い、さらに我が国の金融界や経済界を牽引する人材となることを期待しています。
  3. 学びの方法
    • (1)第一人者から学ぶ
       各テーマの第一人者から学びます。第一人者の知識や結論を覚えるのではなく、その人が問題をどのように捉え、どのような情報を重視し、どのような前提を置き、どのような論理で判断しているのか、その思考の過程を学びます。
       世界有数の海外金融機関や米国を代表するテクノロジー企業の実務家もお招きします。単に海外の事例を知るのではなく、自らの金融機関との違いとその背景を捉えたうえで、何を取り入れ、何を変えるべきかを考えます。
    • (2)議論を中心に学ぶ
       内部監査の実務には、重大性をどう評価するか、何をどの段階で経営陣に報告するか、どこまで踏み込んで提言を行うか、独立性を保ちながらどのように対話するかなど、あらかじめ一つの正解が用意されていない問題が少なくありません。我が国を代表する金融機関から選抜された受講生が、それぞれの実務経験を持ち寄り、互いに問いを投げかけることによって、学びを深めます。
       また、社会的に大きな注目を集めた不祥事を、第三者委員会報告書などを素材として取り上げます。事案の調査や対応に関わった専門家や実務家をお招きし、なぜ不祥事が起き、なぜ組織の中でそれを早く察知し、止められなかったのかを語っていただきます。そのうえで、事案を後から批判するのではなく、当時得られた情報と置かれていた状況の中で、内部監査は何を見るべきだったのか、どの段階で問題を提起できたのかを考えます。
       こうした議論の実効性を確保するため、本アカデミーはチャタムハウスルールの下で運営します。
    • (3)学びと実務を往復する
       本アカデミーで学んだことを、日々の監査実務や経営陣との対話の中で実践する。そこで生じた疑問や課題を、本アカデミーに持ち寄って議論する。この循環を繰り返すことで、学んだ知識を、自ら考え、判断し、経営陣に建設的な提言を行う力へとつなげます。
  4. カリキュラム
     金融経営、ガバナンス、リスク管理、テクノロジー、カルチャー、国内外の制度や実務など、金融機関を取り巻く幅広いテーマを取り上げます。
     グローバル内部監査基準やIIAが公表する最新のペーパー、金融庁の公表ペーパー、英米をはじめとする海外大手金融機関の内部監査実務を扱うほか、金融機関・一般事業法人の不正を題材としたケーススタディも行います。
     それぞれの知識を個別に学ぶだけではなく、異なる分野の知見を結びつけて考えます。個別のリスクを、経営戦略やビジネスモデル、他のリスクとの関係の中で捉え、経営判断に資するアシュアランス、助言、インサイト、フォーサイトを提供できる力を養います。
  5. 修了
     本アカデミーは、原則としてCIA保有者を対象とします。内部監査人として必要な体系的知識を、学びの出発点とするためです。所定の課程を修めた受講生には、称号を授与します。この称号を、将来、金融機関の監査部門長(CAE)を担う人材の証となるよう育てていきます。
  6. 第1期開催概要
    期間 2026年9月〜2027年2月
    日時 毎月第1・第3金曜日 14時00分〜17時30分(90分×2コマ、30分休憩)
    形式 対面のみ
    対象 主要金融機関の監査部長
    参加 18金融機関
  7. アドバイザリーボード
     内部監査領域に閉じることなく、金融・経済、法律・ガバナンス、会計・監査、大学教育等の多様な視点から、本アカデミーの方向性や人材育成についてご助言をいただくため、アドバイザリーボードを設置します。
    【アドバイザリーボードメンバー】
    神田秀樹 東京大学名誉教授
    黒田東彦 日本銀行前総裁
    永田恭介 筑波大学長 国立大学協会理事・顧問(前会長)
    伏屋和彦 日本内部監査協会会長
    南 成人 日本公認会計士協会会長
    (五十音順/敬称略)
  8. 運営体制
    学 長 屋敷利紀 筑波大学客員教授
    事務局 日本内部監査協会企画調査部
  9. 協力
    国立大学法人 筑波大学
    PwC Japan有限責任監査法人
    株式会社 三井住友銀行
    (五十音順)
  10. 照会先
    一般社団法人日本内部監査協会 TEL:03-6214-2231 / online-kenshu@iiajapan.com

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