過去に活動した研究会

研究会テーマ

研究会 No.35 (2011年設置)
座長/高島 康裕氏(新日本有限責任監査法人 金融アドバイザリー部)
研究会テーマ
「内部監査の総合意見を形成するためのリーディングプラクティス研究会」

新設されたIIA国際基準2450番(総合意見)に対応する先進的な実務を研究する目的で研究会を立ち上げます。
基準2450では「総合意見を表明する場合は、(中略)、十分かつ信頼でき、適切にして有用な情報に基づかなければならない」と謳われており、その解釈指針には、総合意見の基礎として用いた「フレームワーク(枠組み)」や「判断基準」を意識しなければならない旨、明記されています。

当研究会ではIIAが出版している「A FRAMEWORK FOR INTERNAL AUDITING'S ENTITY-WIDE OPINION ON INTERNAL CONTROL(邦訳版「内部統制にかかる内部監査の総括評価を導くための規範的枠組み(日本内部監査協会)」」を枠組みのベースに据え、これに準拠し総合意見を表明する報告書作成までの落とし込みを行う実務を研究していきます。そして年度に行ったすべての内部監査報告書を統合し組織体の総括的な結論(Overall Conclusion)にどのように到達すればよいかについて参加者の組織体や内部監査の実務家に指針を提供することを検討します。著者のWallace教授はCOSO(Committee of Sponsoring Organizations)の前身のConsulting Panelの委員を務めていた関係で、上記枠組みの根底はCOSOをベースにしています。枠組みは内部監査の対象領域、ビジネスリスク評価、年度監査計画の設計、そして個々の内部監査の実行までを特定することまでのすべてを含んでいます。

総合意見を導くまでのステップは7つのステップを経ることを想定しています。このステップで用いる手法は内部及び外部両方の監査論に沿った核となる概念に結びつきます。すなわち、報告における、合理的保証、重大性、重要な欠陥、大きな影響、プロセス、期間、範囲の開示、発見事項、改善提案、そして制限です。総合意見にかかる経営者報告における内部監査人の役割を、認識し導くために、IIAの専門職基準が重要性を増していることも示します。

上記7つのステップの過程では適宜ツールを使用します。ツールには「監査格付規準」、「リスクスコアと監査格付」、「監査プログラムのステータス」、「フォローアップレビュー」、「全体統制にかかる内部監査担当取締役の要旨報告」を含む11種類があります。「全体統制にかかる内部監査担当取締役の要旨報告」(ツール7)は取締役会(または監査委員会)に対する内部監査担当取締役の総合意見が表明される重要なツールですが、これはIIAのPractice Guideの「Formulating and Expressing Internal Audit Opinion」のAppendix C (Macro-level Opinion)に突合することができます。ステップ4ではCOSOのモデルの構成要素の切り口でObjective別に既存の各監査報告書を分析してレーティングを付けます。そこでは上記テキストの枠組みで提示されているA:Well Controlled, B:Satisfactory-High, C: Satisfactory-Low, D:Material Opportunities for improvement, F:Persistent or Pervasive Material Weaknessのレーティングで参加者の組織体の個別監査を活用しながら始めてみます。これは先のPractice GuideのAppendix B (Micro and Macro Audit Opinion (Grading))に突合し、具体的にはそこで云う「Evaluation and Grading Matrix」とほぼ同じ様式になりますのでPractice Guideに準拠した作業になります。

活動方法
・2カ月に1回の頻度で定期会合予定
メンバー募集
終了しました。

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