CIAフォーラム研究会

監査実務監査手法 e27

地区 東京
研究会名 生成AIを活用した内部監査業務の高度化に関する研究会
座長 安本 雅一氏(株式会社りそなホールディングス)
テーマ 内部監査業務について第三線としての重要な責務を果たすためには、主として、
  • 社内外の環境変化を的確に捉える高度なリスク感応度や情報収集・分析能力
  • 適時適切なタイミングでのリスク認識や評価を実施し更新する能力
  • 関連法令や規制、各種ガイダンス、会計・税務・システム等への理解と監査業務への応用能力
  • 経営陣や被監査部署へのインタビューを通じて真意・真因を最大限に引き出す能力
  • 被監査部署に対して、速やかに適切な改善を促す説得力
  • 課題・問題点等を洗い出し、想定されるリスク評価を行い、実効性の高い提言活動を行うことを促進させるためのレポーティング能力やプレゼンテーション能力
  • 内部監査部長や主査の立場を担う場合は、組織を統率し、最大限のパフォーマンスを発揮するためのリーダーシップなど
以上の極めて高度な専門性や各種の能力が求められる状況である。
但し、これらの能力を一定レベルまで短期間に習得することは非常に困難であり、監査関連の資格取得やセミナー受講、OJTを含む実務経験や人事ローテーション、トライアンドエラー等を経て、時間を掛けて磨かれていくというのが実情ではないだろうか。
一方で、近年、生成AIが驚異的な進化を見せており、一部の分野では、既に一般的な人間の能力を超える成果を発揮したり、人間が行っていた業務の大半を生成AIが代替するなどといったことが現実のものとなっている。但し、生成AIは現時点では「万能」なものではなく、一部では生成AIが処理する情報ソースの精度等に影響された「回答のブレ」や、正確性を欠く処理を行う等の不具合が見られている状況である。
これらを考慮すると、生成AIの現時点でのデメリット等を割り引いたとしても、内部監査人の人材育成を補完する観点からも、比較的近い将来、内部監査業務においても生成AIを幅広に活用していくというトレンドについては、もはや不可避な状況にあると考えられる。
そこで、当フォーラムとしては、生成AIの進化を「脅威」として捉えるよりも、我々の業務を的確にアシストしてくれる「ビジネスパートナー」として、最大限、監査業務のプロセスや工程等に積極的に取り込んでみようと志向した。各社の内部監査部門が、生成AIを活用して自社の内部監査業務の高度化を実現しようとした場合に、実際にどのような利活用方法が考えられるのか、または、生成AI活用に関連した新たなリスクの発現の可能性はあるのか、効率化や省力化の視点ではどのような点を重視すべきか、などについて、具体的に当メンバーが生成AIをサンプル的に活用しアウトプットを評価してみる、また既に内部監査業務に生成AIの活用を進めている企業の先進的な事例を研究することによって、生身の内部監査人と生成AIが両立し相互に連携しながら、より実践的な監査業務全般の高度化の実現を目指し、多面的な検討を進めていくことを主な趣旨として設立する。
目標成果 最新の生成AIに関する状況を的確に把握しつつ、生成AIを活用・応用した監査プロセス・監査手法等の高度化等について、具体案を提示していく
活動方法
  • 原則として、毎月一回の定例会を主にWeb会議システム(Zoom)等を使用したミーティング形式にて行う。
  • 開催時間は、原則として18時30分から20時10分までとする。
  • 初回は2025年4月とし、概ね1年後を目途に最終成果物を取り纏める方針。
  • 当面は以下のようなテーマを中心に検討していく予定。
    1. 生成AIを活用した場合、監査活動(プロセス・監査手法等)にどのような影響を及ぼすかに関する多角的な考察
    2. 生成AIを活用した場合の「メリット・デメリット」や「強み・弱み」または発現可能性のある監査上のリスクに関する考察
    3. 既に監査活動に生成AIを導入済の先進的事例の研究
    4. 実際に生成AIを稼働させ、どのような成果が得られるのか実践事例の整理・紹介
    5. (可能であれば)外部専門家等の本フォーラム内でのインタビューや質疑応答などを行って専門的知識の向上を図りつつ、成果物への反映を目指す
    その他、最新の情報等を織り込みつつ成果物の取り纏めを行う。
備考 参加要件
  • 本件は、生成AIを活用して監査活動全般の高度化を実現させようとする旬なテーマに挑戦します。最新の生成AIに関する進化度の把握や相互の建設的な議論を通じて、抜本的に“監査業務を変革してみたい”との想いをお持ちの方を歓迎します。

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